26.「あおもりホリデーパス」はかなりおトク!

「あおもりホリデーパス」はかなりおトク!

普通列車の旅での定番はやはり青春18きっぷですが、場合によってはフリーエリアが限定されたフリーパスを使ったほうがおトクなこともあります。
その一つがJR東日本が販売している「あおもりホリデーパス」です。
フリーエリアは青森を中心に、東は久慈、北は大湊、三厩、西は弘前、五所川原までで、青春18きっぷでは途中下車に制限のある青い森鉄道も全線(青森-目時)乗り降り自由となります。
利用期間は、通年の土休日のほか、GW、夏休み、冬休み期間中に設定があります。
有効期間は1日、料金は大人2,470円(小児1,230円)ですが、「大人の休日倶楽部」会員用の設定があり、料金は1,230円という安さです。(ただし、利用期間に制限があり、平成29年は7月1日~9月30日までの土・休日及び7月20日~7月31日、8月8日~8月31日となります。)

利用期間やフリーエアリアなど詳細はこちら

このおトクな「あおもりホリデーパス」を使ったおすすめのプラン紹介します。

 

A.青森~陸奥湊朝市~恐山

陸奥湊の朝市、市場での朝食を楽しみ、恐山へ向かうプランです。快速「リソートあすなろ下北」号を利用します。

所要時間:約13時間
青森駅6:12(青い森鉄道)八戸駅7:49/7:55(八戸線)陸奥湊駅8:17
陸奥湊駅9:25(八戸線)八戸駅9:41/10:51(リゾートあすなろ下北1号)下北駅12:39
下北駅12:50(下北交通バス)恐山13:33
恐山15:00(下北交通バス)下北駅15:40/16:04(リゾートあすなろ下北4号)野辺地16:54/18:07(青い森鉄道)青森18:56

ちなみにこのルートだと、リゾートあすなろ下北の指定席料金を除いた運賃は7,330円にもなり、「あおもりホリデーパス」(2,470円。大人の休日倶楽部会員用だと1,230円)がいかにおトクかがわかります。

朝一番に青森を出るのは、陸奥湊駅前の「八戸市営魚菜小売市場」で朝食を楽しむためです。


陸奥湊の駅前で迎えてくれるイサバのカッチャ


これが八戸市営魚菜小売市場です。市場内で買ったご飯・みそ汁などと組み合わせて、オリジナルの朝市ごはんを作ることができます。


一人用に小分けされたものも多く、一人でも色々なものがいただけます。朝5時頃からやっていて、10時頃には店じまいする店も出てきます。


マイセレクト朝食。これで950円


豪華に丼にしてみました。


美味しい朝食でお腹が一杯になったら、次は恐山へ向かいます。まず、八戸まで戻ります。


八戸からは、土日中心に運行されている快速「リゾートあすなろ下北」号を利用します。使用車両は、五能線の「リゾートしらかみ」にも使用されている「ハイブリッドシステム」を搭載したHB-300系です。


本州最北の駅である下北駅到着。駅前から下北交通のバスで恐山へ向かいます。所要時間は45分ほど。


恐山の手前、冷水という場所でバスは少し停まります。


天然のヒバ林に囲まれた湧水はその名の通り冷たく、ここで手を洗い、口をゆすぎ、霊山恐山に入る前に清めます。
冷水を1杯飲めば10年、2杯飲めば20年、3杯飲めば死ぬまで若返るという不思議な水と言われていますが、死ぬまで若返るってどういうこっちゃ?


三途の川を渡ればもうそこは恐山です。


日本三大霊山の一つに数えられる恐山に到着。山門をくぐると、岩場が一面に広がり、硫黄の臭いも漂っています。


宇曽利湖とその湖畔に広がる極楽浜。見たことはありませんが、おそらく極楽とはこういう場所だと思わせる風景が広がります。


このプランだと恐山の滞在時間は約1時間半ですが、恐山境内にある温泉にぜひ入ることをお勧めします。


温泉は4か所ありますが、いずれも硫黄臭いの強い濁った温泉で、泉質はもちろん雰囲気も最高です。
ただ、体に硫黄の臭いが染み付くかもしれません。(洗い場はありません。)


硫黄の臭いが取れないようなら、青森に帰る途中浅虫温泉駅で途中下車しましょう。


青森の奥座敷と呼ばれる浅虫温泉は、街中至る所で湯けむりが。


源泉かけ流しを楽しめる公衆浴場「松の湯」でさっぱりするのもいいかもしれません。

 

B.青森~陸奥湊朝市~久慈~三陸鉄道北リアス線

陸奥湊の朝市のあと、久慈まで向かい、久慈~宮古間をあまちゃん鉄道(三陸鉄道北リアス線)で楽しむプランです。

所要時間:約15時間
青森駅6:12(青い森鉄道)八戸駅7:49/7:55(八戸線)陸奥湊駅8:17
陸奥湊駅10:22(八戸線)久慈駅11:51/12:15(三陸鉄道北リアス線)宮古駅13:54
宮古駅15:09(三陸鉄道北リアス線)久慈駅16:49/17:01(八戸線)八戸18:56
八戸19:35(青い森鉄道)青森21:07

※久慈12:15発の列車には、一般座席車(自由席)にお座敷車(指定席。運賃の他に指定料金510円必要)が連結されています。(7月15日~10月9日までの土・日・祝日(うち8月5日~8月15日までは毎日)運行)
また、同期間には宮古発14:40のお座敷車1両の臨時列車も運行されています。

ちなみにこのルートだと、三陸鉄道を除いた運賃は7,200円になります。うち4,560円が青い森鉄道の運賃ですから、青い森鉄道が自由に乗り降りできる「あおもりホリデーパス」はやはりおトクだと思います。


久慈へ向かう八戸線の車窓には太平洋が広がります。


ホームから投げ釣りができそうなほど港のすぐそばにある陸中八木駅


久慈駅で三陸鉄道北リアス線に乗り換えです。


一般座席車に連結されたお座敷車


お座敷列車。空いていればいいけど、混んでいればお一人様には居心地は悪いかも。


あいにくの天気ですが、あまちゃんで有名な風景です。


JRの宮古駅とは別にある三陸鉄道の宮古駅


土砂流入や東日本大震災の影響で現在多くの区間が不通になっている山田線ですが、今年度全線営業再開予定で、同時に宮古~釜石間は三陸鉄道に運営移管予定です。


宮古駅前の有名な寿司屋「蛇の目本店」


お店で食事を取る時間がない場合、テイクアウトし、お座敷列車に持ち込むことも可能です。

25.日帰りで行く 気動車でのどかな車窓風景を楽しむ水郡線・磐越東線

気動車でのどかな車窓風景を楽しむ水郡線・磐越東線

茨城県の水戸駅と福島県の安積永盛駅(実際にはすべての列車が郡山駅まで行きます。)を結ぶ関東の長大なローカル線水郡線。福島県のいわき駅から同じ福島県の郡山駅を結ぶ「ゆうゆうあぶくまライン」の愛称が付けられている磐越東線。とびきりの絶景が楽しめるというわけでもありませんが、共通点は非電化とのどかな車窓風景です。

この両線も東京駅から日帰りで合わせて回ることができます。

青春18きっぷか北海道&東日本パスの利用がおトクですが、両きっぷの発売期間外の場合は、土日の2日間有効で、新幹線・特急列車にも別に特急券等を購入すれば乗車できる週末パス(8,730円)を利用する手もあります。

 

プランA
先に磐越東線を回るルートです。朝の出発が余裕ある分、帰りは少し遅くなります。
所要時間:約12時間半
上野8:49(常磐線)水戸10:57/11:10(常磐線)いわき12:37/13:13(磐越東線)郡山14:48/15:55(水郡線)水戸19:05/19:10(常磐線)土浦20:04/20:15(常磐線)上野21:27


郡山駅を出てしばらくすると車窓にのどかな里山風景が広がる。


秘境感はないものの、区間によっては渓谷沿いを縫うように走る。


ローカル線らしい駅舎も、北海道とは違いどの駅も乗降客がいる生活路線でもある。


郡山駅の名物駅弁
日本一ののり弁として駅弁マニアも絶賛する福豆屋の「海苔のり弁」です。
たしかに旨いコメ、卵焼き、鮭の塩焼きもレベルが高いのは認めるが、のり弁で950円はやっぱり高い気がしてならない。

 

プランB
こちらは、先に水郡線を回るルートです。出発時間は少し早くなりますが、水郡線・磐越東線両線の車窓を明るいうちに楽しめるこちらのルートがおすすめです。
所要時間:約12時間
上野7:03(常磐線)水戸9:00/9:22(水郡線)郡山12:33/13:17(磐越東線)いわき14:52/15:17(常磐線)勝田16:33/16:58(常磐線)上野19:11


本来の起点は安積永盛駅


ローカル線の列車に似つかわしくない派手なカラーリング。車両もキハ40やキハ54などと違い窓は開かず、その意味でもローカルらしくない。


久慈川の景色を左右に見ながら走る。


沿線随一の観光地である袋田の滝の最寄り駅

 

プランC
さらに欲張るなら、6時前に上野駅を出発し、勝田駅でひたちなか海浜鉄道湊線に乗り換えるというプランもあります。途中の那珂湊駅で下車し、那珂湊おさかな市場を楽しむ時間もたっぷり取れます。週末パスを利用する場合なら、ひたちなか海浜鉄道もフリーエリアに含まれます。

ひたちなか海浜鉄道湊線で勝田から終点の阿字ヶ浦まで往復するなら湊線1日フリーきっぷ(900円)がおトクです。勝田から阿字ヶ浦までの片道料金が570円ですから、途中下車しない場合でもフリーきっぷがおすすめです。
上野5:50(常磐線)我孫子6:23/6:26(常磐線)勝田7:55/8:08(ひたちなか海浜鉄道)那珂湊8:25/10:24(ひたちなか海浜鉄道)阿字ヶ浦10:35/10:45(ひたちなか海浜)いわき12:37/13:13(磐越東線)郡山14:48/15:55(水郡線)水戸19:05/19:10(常磐線)土浦20:04/20:15(常磐線)上野21:27


JR勝田駅と同じ構内にあるでひたちなか海浜鉄道湊線のホームだが、ホーム手前に有人改札がある。


乗った車両はクロスシート。ロングシートの車両もある。


各駅とも駅名が工夫を凝らしたイラストで描かれていて、見ているだけでも楽しい。


鉄道車両という案内板があったので、行ってみることにした。徒歩7、8分。このような案内板でも文字にイラストを組み合わせている。


茨城交通(現ひたちなか海浜鉄道)のケハ601。物置として使用されているようで、保存状態はあまりよくない。


こちらはキハ20428で、車体は国鉄時代末期の朱色に塗りかえられている。


のどかに単線が続いている。


終点の阿字ヶ浦駅。無人駅であり、駅前も殺風景である。


阿字ヶ浦駅構内に保存されているキハ11系。運用はされていない。