20.北海道&東日本パスをフルに活用③ 釧網本線と、根室本線の秘境駅

釧網本線と、根室本線の秘境駅

普通列車の旅としては、網走から快速しれとこで釧網本線を楽しみ、東釧路駅で(うまく連絡する)花咲線に乗り換えるのが定番だと思います。現に東釧路で下車した同好の士もいましたが、花咲線は昨年堪能しましたので、今回は根室本線の秘境駅(古瀬駅と尺別駅)に途中下車し、帯広へ向かうことにします。

 

 

ルート
快速しれとこの出発までの時間を利用して
網走7:34(石北本線)美幌8:06/8:32(石北本線)網走9:04

網走10:24(釧網本線 快速しれとこ)釧路13:33/釧路13:48(根室本線)古瀬14:32
古瀬15:05(根室本線)白糠15:12/16:03(根室本線)尺別16:25
尺別16:48(根室本線)庶路17:32/17:46(根室本線)帯広20:15
秘境駅での待ち時間を少なくするため、行ったり来たりしています。

前夜網走で宿泊した北海ホテル。建物・設備は古いですが、綺麗に手入れされています。

宿泊したのはバス・トイレ無の和室ですが、気持ちのいい大浴場があり、部屋にはテレビ・エアコン・冷蔵庫も完備しています。朝食まで付いてなんと3,900円!(一人利用)

バイキングの朝食は品数も十分、北海道らしく明太子や塩辛なんかもあって、おすすめのホテルです。

これから乗るのは快速しれとこ

快速しれとこで使用されるキハ54は固定式クロスシート仕様
皆さん、改札と同時に連絡橋の階段を駆け上がります。
入場券を買えば改札前でも自由にホームに入れるようですが、例えば乗車券とは別に入場券を買って、他の乗客より先に座席を確保することは許されるのでしょうか?
ルール違反ではないかもしれませんが、マナーとして疑問符が付きますよね。私は改札の一番に並びましたが、階段の上がり降りで後の人に抜かれてしまいました。
座席は隠したものの、立っている方もいて、せめて観光シーズンは2両編成にできないものでしょうか。

お昼用にかにめし弁当を購入

網走の次の駅桂台を過ぎた辺りから車窓に海が見えてきます。

北浜駅の手前あたり、オホーツクが近い

こちらはオホーツク海と反対側の車窓に広がる汽水湖の濤沸湖(とうふつこ)

初夏の花が咲き誇る風景も車窓から楽しめます。

5月から10月にかけてだけ臨時に開設される原生花園駅

知床斜里駅の手前あたりから釧網線は内陸に入っていきます。オホーツク海とはお別れです。

緑駅。ちょうど網走と釧路のほぼ中間地点になります。

列車は間もなく釧路湿原へ入っていきます。

釧路湿原の中を列車は進みます。しかし、よくこういうところに線路が敷けたなと感心します。

網走を出て3時間ちょっとで釧路駅へ到着。ここで、根室本線帯広行に乗り換えです。このまま乗って行けば5時過ぎに帯広に着くのですが、途中古瀬駅、尺別駅という秘境駅で下車する予定です。

混雑していた釧網本線の快速しれとこと違って根室本線の帯広行普通列車はがらがら。ボックスシートを独り占めし、釧路駅で買った根室の地酒「北の勝」のワンカップと一緒に網走で買った駅弁をいただきます。
蟹の身がいっぱい敷き詰められて、これは美味しくないはずがありません。

釧路を出て45分ほどで古瀬駅へ到着

1番線のホームを下りて2番線ホームへ向かってみます。

構内踏切を渡り2番線ホームへやってきました。今降りた1番線ホームを望みます。結構離れています。

2番線ホームにある時刻表です。
やっかいなことに、上りと下りでホームが決められているわけでなく、列車によって停まるホームが異なるようです。
ホーム上の時刻表で次乗る列車がどっちのホームかを確認しておかないと大変なことになります。

駅の側にはダート道が走っていますが、周りは林に囲まれホーム傍の保安用建物以外民家等は一切見当たりません。さすが秘境駅ランキング8位に入る駅だけあって秘境ムードが一杯です。

次の帯広方面行は1時間半以上も待たなければならないので、一度釧路方面へ戻ることにします。森の熊さんに出会ったら大変ですものね。元来た釧路行に乗るなら古瀬駅の滞在時間が30分ほどで済みます。
向こうに見えるのがさっき降りた1番線ホーム。この釧路行は2番線に入ってきます。


一駅戻った白糠駅は駅員もいる大きな駅。1時間弱の待ち時間を利用して、当地で老舗という「老麺やはた」へ向かいます。徒歩数分です。

綺麗で広々とした店内でいただいたのは「しょうゆワンタンメン」(800円)
しょうゆはやはた伝統の味らしくさっぱりした中にもこくのある旨みがあって、満足いたしました。

再度帯広方面へ。やってきたのは懐かしい朱色、旧国鉄色のキハ40です。

白糠駅を出てさっき降りた古瀬駅を過ぎると湿地帯が広がります。釧路湿原や花咲線の厚岸の先に広がる別寒辺牛(べかんべうし)湿原と比べると地味な感じですが、これが馬主来(パシクル)沼です。

馬主来(パシクル)沼を過ぎると列車は太平洋の海岸沿いを走ります。根室本線のこの辺りの車窓もなかなか素敵です。

尺別駅に到着

駅からは波の音が聞こえ、駅周辺は広々として視野も開けています。そのため秘境駅という感じはあまりしません。

しかし、駅前には崩れ落ち朽ち果てた廃屋が放置されています。
さっき下車した古瀬駅のように周囲が林に囲まれ民家一つ見えない駅と違って、まるでゴーストタウンのように、かっては栄え、でも今は人気がまったく感じられないこの尺別駅の方がなんとなく不気味に感じられます。

20分ほどで釧路行がやってきました。このゴーストタウンのような尺別駅で次の帯広行きを2時間も待つ気にはなれず、また釧路方面へ戻ります。

帯広行の待ち時間が一番少なく済む庶路駅まで戻ります。
駅から2、3分の場所にセブンイレブンがあります。ここからはもう行ったり来たりせずに帯広まで2時間半の普通列車の旅です。

18.旭川駅周辺の安くて美味しい食事処

旭川駅周辺の安くて美味しい食事処

宗谷本線や石北本線、あるいは富良野線や留萌本線を旅する場合に起点にすることが多い旭川駅です。
旭川駅での乗り継ぎの時間待ちや、旭川近辺で宿泊することもあるかと思います。
そこで、旭川近辺で安くて美味しいお店を何店か紹介しようと思います。

 

 

天勇(ゲソ丼)

ゲソ丼とは、ゲソ(イカの足)を揚げたものを乗せた丼です。旭川のソウルフードらしく、市内の立ち食い蕎麦屋のメニューには必ずと言っていいほど用意されているようです。
旭川駅から徒歩10分程の場所にある天勇はカウンターのみの立ち食い蕎麦屋で、ゲソ丼発祥の店とも言われています。(諸説あるようです。)
お昼時を少し回っていましたが、10人程並べそうなカウンターは半分くらい埋まっています。カウンターの先にあるメニューからゲソ丼セットを注文。セットになる麺はそばかうどんを選べ、さらにトッピングも天ぷら・月見・かしわ・きつね・たぬきを選べる仕組みです。
きつねを選び注文するとすぐに出てきました。小ぶりの丼にかなり大きなゲソ揚げが3本。ゲソはカリッと揚がった感じではありませんが、甘辛いタレとよく合って、ご飯と相性抜群です。ゲソの唐揚はとてもポピュラーなのに、ゲソ丼ってどうして他の地域にはないんだろうと思いながらあっという間に完食です。
セットの蕎麦もやや濃い目の出汁にこれも濃い灰色の素朴な田舎風の蕎麦がよく合っています。きつねは薄い揚げではなく、厚揚げに近いようなもので、しっかりと味が染み込んでいました。これで550円です。
駅からの往復を含めて1時間もあれば食事できると思いますので、乗継時間を利用して旭川の名物を味わってはどうでしょうか。

 

馬場ホルモン(塩ホルモン)

塩ホルモンは、塩味の調味料に漬け込んだ豚のホルモンを七輪などで焼いて食べるホルモン焼きの一種で、旭川市が発祥とされています。
塩ホルモン発祥とされる店は諸説あるようですが、馬場ホルモンはその一つで、非常に人気が高いお店です。
旭川駅から徒歩15分強、旭川のディープスポットと呼ばれる昭和の雰囲気そのまんまの姫小路という場所に店を構えています。
待ち時間を覚悟し出かけてみたのですが、一人ということと、たまたま空いていた日ということもあり、すんなり入店できました。
メニューは塩ホルモンのみ。他はご飯ものを含めて一切ありません。瓶ビール、焼酎、日本酒、ウーロン茶など飲み物があるだけです。
とにかく席に着くと、飲み物だけ聞かれ、あとは七輪とお皿に盛られたホルモンと玉ねぎが勝手に出てきます。
出てきたホルモンは写真のとおりで、これが一人前なのかどうかよくわかりませんが、結構な量が盛られています。そして、色々な部位が入っています。(女将さんの話によれば、レバー以外はすべて豚の胃の部分だとか)
七輪で焼いたホルモンをそのまま口に頬張ると、コリコリした触感、濃すぎずどちらかといえば薄味の塩味が絶妙で、臭みはまったくありません。ホルモンの鮮度がいいこともあるのでしょうが、下処理もしっかりできているんでしょうね。付け合せの玉ねぎも塩味だけなのですがこれも旨い。これまでホルモンといえば、煮込みとか焼く場合でもタレニつけて食べることが多かったのですが、この塩ホルモン一遍に気に入ってしまいました。
そして、お勘定ですが、結構な量のホルモン一皿に焼酎グラス1杯とウーロン茶で1,150円なり。混んでる理由が分かります。
ちなみにお昼はやってなく、夕方4時半からの営業です。

ボリュームたっぷり。何人前かわからないけど、お一人様に出てきたのがこれ。
お皿の分と網の分を足した量です。
   

 

食事処館(とにかく安くて美味くてメニュー豊富なお店)

お昼を食べようと伺いました。
場所は前述の馬場ホルモンと同じ旭川のディープスポット姫小路にあります。馬場ホルモンの向かいです。
事前に情報を得ていた通り、ほんとに小さなお店です。カウンターに2、3人と一つあるテーブルに2人くらいしか座れません。にもかかわらず壁一面にはぎっしりとメニューが張ってあります。色々な種類のラーメン、丼、カレー、定食に蝦夷羆鍋なんかもあります。しかも値段が安い。丼物で400円くらいからで、定食も安い。
ゲソ丼を食べたかったのですが、「ゲソが急に値上がりしてねえ。値上げまでしたくないので、止めちゃったよ。」とのことで、とりのご飯どろぼう丼なるものを注文。出てきたのは大きなとり天が3つも乗っかった丼。熱々のとり天を頬張ると甘辛いタレがいい具合で、こりゃあいくらでもご飯が進むわ。それでご飯どろぼうなんですね。味噌汁も付いて400円。
店主も気さくで話好き、他のメニューも食べてみたくて、後日馬場ホルモンへ行った帰りに再訪した次第です。
こちらは馬場ホルモンと違い、昼間も営業していて、日曜日もやってます。

とりのご飯どろぼう丼

たった5人ほどしか入れいないのにこのメニューの多さ(これでも一部)

こちらは、後日夜に伺った際にいただいたとりの塩からあげ(定食で700円、単品420円)