5月19日に恒例の「夏の増発列車」がJR各社から発表になりました。
7月1日~9月1日の間に運転する増発列車ですが、やはり圧巻なのはJR東日本です。
各地のキャンペーンやイベントにあわせた臨時列車や「のってたのしい列車」が各地で運転されますが、嬉しいのはその多くが在来線の快速列車だということです。
さっと数えてみるとその数はおよそ70種類、これらすべて青春18きっぷや北海道&東日本パスなどの普通列車用フリーパスで乗ることができます。
増発列車には1日限りのものもあれば、定期季節列車として土日中心にほぼ毎週乗れる列車もありますが、今回は、その定期季節列車の中からおすすめを2つ紹介します。
1.新潟の酒・食・景色を生演奏のジャズと一緒に楽しめる「越乃Shu*Kura」
まず一押しはこれです。
越乃Shu*Kuraは、「藍下黒」と呼ばれる独特の深みがある濃青の伝統色に白を組み合わせた外装が鮮やかなキハ40・48形専用3両編成の臨時快速列車です。
3月から11月の土休日を中心に運行され、全車普通車(指定席)ですので青春18きっぷや北海道&東日本パスで指定席料金を支払えば乗車できます。
ただし、1号車(キハ48)はびゅう旅行商品専用車両ですので、一般客が利用するのは2列式のリクライニングシートを備えた3号車(キハ40)が対象になります。えきねっとでも指定席の予約が可能です。
1号車(左) 3号車(右)
2号車(キハ48)はイベントスペースとサービスカウンター「蔵守 – Kuramori – 」が配置されていて、1号車の乗客も3号車の乗客も自由に楽しむことができます。3号車の乗客の中には、座席には座らず2号車に入り浸りの方も多いようです。
この列車のコンセプトは「酒」。運行する新潟県が「地酒王国」にちなんだものですが、そのコンセプトに恥じない内容で、酒飲み、特に日本酒好きには垂涎の列車なのです。
車窓に広がる日本海の景色や地元ミュージシャンによるジャズ等の生演奏もいいのですが、なんといっても2号車イベントスペースで行われる蔵元イベントが最高です。新潟県の蔵元による試飲イベントで、蔵元は日によって異なりますが、日によっては蔵元イベントが開催されずにJAZZ生演奏スペシャルの日があるので要注意です。(JR東日本「越乃Shu*Kura」のHPのイベント情報で詳細が確認できます。)
蔵元イベントは片道2回(各20分)行われ、試飲といっても十分に量が用意されています。(1号車・3号車合わせても乗客は最大70名ですから、飲みはぐれることもないと思います。)
大盛り上がりの蔵元イベント
それでも飲み足りないという場合は、2号車のサービスカウンター蔵守~Kuramori~に用意されている利き酒(有料)がおすすめです。常時5種類の銘柄が用意されていますが、5種類すべて注文している方が多いようです。
また、おつまみ類にも地元の珍しいものがあり、お酒がどんどん進むこと間違いないです。
上越妙高-十日町間を運行する越乃Shu*Kuraのほか、日によっては上越妙高-越後湯沢間を運行するゆざわShu*Kuraや上越妙高-新潟間を運行する柳都Shu*Kuraがあります。
なお、9月2日、3日限定でヒスイShu*Kuraが新潟-糸魚川間で運行されます。
早朝に東京駅を出れば、新幹線を使わず、普通列車だけで日帰りも可能です。
東京駅発 東京から「越乃Shu*Kura」に日帰りで乗りに行こう。
2.車窓いっぱいに広がる日本海の絶景を楽しめる「きらきらうえつ」
きらきらうえつは485系を改造した4両編成で運行され、1号車、3・4号車が客車で、先頭車両と最後尾車両には展望スペースが設けられ、各車両の大きな窓ともども日本海沿線の迫力ある風景が楽しめるよう工夫されています。
また、きらきらラウンジ車両と銘打たれた2号車には「茶屋(売店)」とラウンジスペースが設けられ、日本海の美しい風景を眺めながら沿線の駅弁や地酒・地ビールなどを楽しめるようになっています。
きらきら弁当なるものが車内で販売されていました。
車窓に流れる日本海の絶景を眺めながら沿線の地酒を鮭のつまみでいただけます。
この列車も全車普通車(指定席)ですので、青春18きっぷや北海道&東日本パスで指定席料金を支払えば乗車できます。JR東日本ののってたのしい列車の一つですが、新潟から酒田までの所要時間は2時間38分で、時間的にも特急いなほと比べ30分ほど余計にかかるだけです。
運行は新潟-酒田間1日1往復ですが、この夏の増発ダイヤでは「きらきらしらかみリレー号」として秋田まで延長して運行する列車もあります。(9月15日-18日)