42.「伊豆急行線一日乗車券」で伊豆急の旅満喫

「伊豆急行線一日乗車券」で伊豆急の旅満喫

関東近辺の鉄道路線として車窓が美しいことで知られる伊豆急行線
伊豆半島の東を走る伊豆急行線は相模湾など車窓の景色が素晴らしいことで人気の路線ですが、運賃が高いことでも有名です。伊東から終点の伊豆急下田まで普通列車で片道1時間ちょっとの乗車ですが、運賃は1,620円もします。

実は、伊豆急線をのんびり旅するのに最適のお得なきっぷがあります。
今、ヤフオクなどで多数出品されている「伊豆急行線一日乗車券」です。どうやら東急電鉄の株主優待のようです。
伊東駅~伊豆急下田駅が乗り降り自由の一日フリー乗車券で、特急踊り子号を利用する場合も特急券の購入すれば乗車でき、有効期間は2018年6月末までで、2枚セットで1,500円から1,800円で取引されているようです。伊東~伊豆急下田間は往復で3,240円ですからかなりお得だと思います。

実は、同じような切符で伊豆急が発売している「伊豆満喫フリーきっぷ」というのがあるのですが、発売期間が限られているため(平成29年度は9月1日から1月31日まで)河津桜や夏のシーズンには使えません。料金は大人1,700円でこれでもかなりお得なのですが、ヤフオクで買う「伊豆急行線一日乗車券」の方がだいぶ安いですね。また、発売場所が伊東駅のみどりの窓口に限られているため、東京・熱海方面からくる場合、きっぷを購入するために伊東駅で下車する必要があります。


私が旅した時は「伊豆急行線一日乗車券」が出品されていませんでしたので、「伊豆満喫フリーきっぷ」を利用しました。


熱海でJR伊東線に乗り換え伊東駅に向かいます。熱海-伊東間には来宮、伊豆多賀、網代、宇佐美と4つの駅がありますが、いずれも無人駅です。
来宮を過ぎると伊東線は山の中に入りトンネルも通りますが、伊豆多賀駅を過ぎたところから高台を走る車窓の合間から相模湾が見えてきます。


伊東駅が近づくと海が近くに見えるようになります。

 
伊東駅で途中下車し、「伊豆満喫フリーきっぷ」を購入
伊東駅には祇園という駅弁屋さんがあり、立ち食い蕎麦もいただけます。ホームからも改札外からもいただけます。


伊東駅前には温泉街らしい商店街が残っています。

 
伊東駅周辺には10もの温泉共同浴場があり、観光客も低料金で利用できます。
駅から徒歩数分の場所にある汐留の湯(湯川第三浴場)入浴料は250円です。


洗い場の蛇口から出るのも水ではなく温泉

伊東駅から先は伊豆急行線になりますが、おすすめは豪華なリゾート列車リゾート21です。
普通列車のため乗車券だけで乗車できます。

 
伊豆急が誇るリゾート列車リゾート21「黒船電車」


こちらは従来のリゾート21


伊豆大川駅 各駅ごとに温泉があるといっていい伊豆急線

 
伊豆北川駅 なんとも趣のある無人駅です。急な坂道を下ると海岸に出ます。


伊豆北川駅の北側に有名な黒根岩風呂があるのですが、昨年の台風で大きな損害を受け、現在休業中です。こちらは休業前の様子


片瀬白田-伊豆稲取間は伊豆急の中でも最も海沿いを走る区間で、車窓には大島が望めます。


金目鯛で有名な伊豆稲取が見えてきました。


伊豆稲取駅近くにあるパワースポットで有名な「済広寺」は別名「かやの寺」


これからに季節は何と言っても河津桜。たいへん込みます。


その河津桜が咲き誇る場所からほど近くに間歇泉で有名な峰温泉大噴湯公園があります。


河津駅の次は山間部にある稲梓駅


南国風情一杯の伊豆急下田駅はお土産も充実


リゾート21と踊り子号のツーショット

37.「秋の乗り放題パス」で乗れるJR東日本の「のってたのしい列車」

「秋の乗り放題パス」で乗れるJR東日本の「のってたのしい列車」

今年も10月14日の「鉄道の日」に合わせて普通列車の旅を満喫できる「秋の乗り放題パス」がJR各社から発売されます。
発売期間:9月16日~10月20日
利用期間:10月7日~10月22日の連続する3日間

JR全線の普通列車の普通車自由席が連続する3日間乗り降り自由となりますが、この「秋の乗り放題パス」で乗れるJR東日本の「のってたのしい列車」を集めてみました。

「のってたのしい列車」とはJR東日本が「乗る」こと自体が目的となるように列車の外観や内装をデザインし、車内にラウンジを設けたり、車内イベントなども行ういわゆるジョイフルトレインです。
その多くは、普通列車・快速列車の扱いで、「秋の乗り放題パス」や「青春18きっぷ」などの普通列車用のおトクなフリー切符でも座席指定券を購入すれば乗車することができます。

 

小海線 「HIGH RAIL 1375」

「秋の乗り放題パス」期間中の運転日:10/7~9、13~15、20~22

2017年7月にデビューした一番新しい「のってたのしい列車」です。
JR線の中で最も標高が高い小海線の小淵沢駅~小諸駅を走ります。
2両編成で、1号車は窓に向かって座るペアシートとシングルシート、4人掛けのBOXシートに物販カウンターが設置されています。
2号車はリクライニングシートで、21席のうち3席は一人席になっています。
「天空にいちばん近い列車」をコンセプトに、八ヶ岳の眺望、日照時間や寒暖差による豊かな実り、美しい星空を眺められるなど、車窓を楽しめる列車ですが、星空映像の投影や天文関連書籍を車内で見ることができ、またWi-Fi によるオリジナルコンテンツの配信なども行われます。
運行は、小淵沢 ⇒小諸が2本、小諸 ⇒小淵沢が1本です。
一人席も用意されていているので、一人旅でも十分楽しめそうです。

 

五能線 「リゾートしらかみ」

「秋の乗り放題パス」期間中の運転日:10/7~22(期間中毎日運転しています。)

 リゾートしらかみは、一度は乗ってみたい人気路線五能線を走ります。
大きな窓からは世界自然遺産白神山地と風光明媚な日本海の海岸線の絶景を楽しめます。
4両編成で、2号車がボックス席になっているほかはすべて二人掛けのゆったりしたリクライニングシートです。
2010年デビューのハイブリッド(HB-R300系)「青池」、2016年デビューの新型ハイブリッド(HB-E300系)「橅(ブナ)」、2006年デビューの「くまげら」(キハ48形)の3 編成で、一日6本運行されています。
他の「のってたのしい列車」と異なり土日だけでなく冬季以外は平日もほぼ毎日運行されています。
一人席はありませんが、座席がゆったりしており、隣が他人でもそれほど窮屈な感じはしません。


とてもゆったりとした座席

 

飯山線 「おいこっと」

「秋の乗り放題パス」期間中の運転日:10/7~9、15

千曲川(信濃川)沿いに、里山、田畑、民家など、のどかな田園風景が連なる飯山線。
「日本人のこころのふる里」を代表するローカル線として、訪れる人すべてにやすらぎと癒しを提供したいという思いをイメージした新コンセプトの列車です。田園風景や川、山など日本人が思い描くふるさと(田舎)をイメージしていただくため、東京の真逆にあると言う意味でTOKYOの英語表記を反対にし「おいこっと」とひらがなで表現したそうです。
2両または1両編成で、ロングシート、2人掛け席、4人掛けボックス席が用意されています。
土日中心の運行で、普段は上下各1本ですが、12月~2月の期間は「冬のおいこっと」として上下各2本が運行されます。
車内には観光放送や沿線のご案内、記念撮影、車内販売など、旅のお手伝いをするアテンダント「おいこっと あてんだんと」が乗務するそうですが、一人で車窓を眺めのんびりと旅をするには落ち着かないかもしれません。

 

信越本線 「越乃 Shu*Kura」

「秋の乗り放題パス」期間中の運転日:10/7~9、13~15、20~22

お酒、特に日本好きにはたまらない列車です。
運行は、上越妙高⇔十日町ですが、13日~15日は「ゆざわShu*Kura」として上越妙高⇔越後湯沢間の運行となります。いずれも1日1往復です。
「藍下黒」と呼ばれる独特の深みがある濃青の伝統色に白を組み合わせた外装が鮮やかなキハ40・48形専用3両編成の臨時快速列車で、3月から11月の土休日を中心に運行されます。
ただし、1号車(キハ48)はびゅう旅行商品専用車両ですので、一般客が利用できるのは2列式のリクライニングシートを備えた3号車(キハ40)になります。
2号車(キハ48)はイベントスペースとサービスカウンターが配置されていて、1号車の乗客も3号車の乗客も自由に楽しむことができます。3号車の乗客の中には、座席には座らず2号車に入り浸りの方も多いようです。
この列車のコンセプトは「酒」。運行する新潟県が「地酒王国」であることにちなんだものですが、そのコンセプトに恥じない内容で、酒飲み、特に日本酒好きには垂涎の列車なのです。
車窓に広がる日本海の景色や地元ミュージシャンによるジャズ等の生演奏もいいのですが、なんといっても2号車イベントスペースで行われる蔵元イベントが最高です。
新潟県の蔵元による試飲イベントで、蔵元は日によって異なりますが、日によっては蔵元イベントが開催されないJAZZ生演奏スペシャルの日があるので要注意です。
蔵元イベントは片道2回(各20分)行われ、試飲といっても十分に量が用意されています。(1号車・3号車合わせても乗客は最大70名ですから、飲みはぐれることはないと思います。)
1人用の座席はありませんが、ほとんどの方が2号車に入り浸っていますので、一人旅でもまったく問題ないと思います。

 

釜石線 「SL銀河」

「秋の乗り放題パス」期間中の運転日:10/7

C58 239を復元し、釜石線の花巻~釜石間で運行します。
列車全体が釜石線沿線を舞台に描かれた宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」をテーマにしていて、宮沢賢治の生きた大正から昭和のレトロな列車空間が演出され、宮沢賢治ギャラリーやプラネタリウムも設けられています。
4両編成で、向かい合わせ4人掛けの座席です。

 

大船渡線 「POKE・MON with YOU トレイン」

「秋の乗り放題パス」期間中の運転日:10/7~9、14、15、21、22

2017年7月15日より車両がリニューアルされた「親子でピカチュウと楽しむ列車」です。
元気なピカチュウたちと一緒に楽しめる工夫がされています。
一関⇔気仙沼間を1日1往復しています。
コミュニケーションシート車両とプレイルーム車両の2両編成で、列車のコンセプトから一人旅向きの列車ではありません。

 

篠ノ井線・大糸線 「リゾートビューふるさと」

「秋の乗り放題パス」期間中の運転日:10/7~9、13、15、16、20

篠ノ井線・大糸線沿線の雄大な山々や美しいな川や湖などの車窓を楽しめるだけでなく、ホームから善光寺平の絶景を見下ろせる姨捨駅や碌山美術館のある穂高駅ではたっぷり停車時間を取るなどして、列車を降りた観光も楽しめるように工夫されています。(往路の長野発南小谷行)
また、土休日には特別イベントも車内で開催されます。
1人席はありませんが座席が非常にゆったりしており、また駅によっては停車時間を利用して駅の外に出れますので、一人旅でもまったく問題ないと思います。
ハイブリッド(HB-R300系)2両編成で、長野⇔南小谷間を1日1往復の運行です。(往路の長野発がおすすめです。)

 

陸羽東線 「リゾートみのり」

「秋の乗り放題パス」期間中の運転日:10/7~9、10/14、15 10/19~22

のどかな田園風景や紅葉が素晴らしい鳴子峡など沿線の車窓が美しい陸羽東線の仙台⇔新庄間を1日1往復運行します。全線通して乗るのもいいですが、沿線には東北有数の温泉郷「鳴子温泉」があるので、鳴子温泉駅で下車し、源泉かけ流しの湯を楽しむのもおすすめです。
車両はキハ48形気動車を改造したもので、2人掛けシートの足元は広々としています。

 

羽越本線 「きらきらうえつ」

「秋の乗り放題パス」期間中の運転日:10/7~9、10/13~15 10/20~22

車窓いっぱいに広がる日本海の絶景を楽しめます。
きらきらうえつは485系を改造した4両編成で運行され、1号車、3・4号車が客車で、先頭車両と最後尾車両には展望スペースが設けられ、各車両の大きな窓ともども日本海沿線の迫力ある風景が楽しめるよう工夫されています。
また、きらきらラウンジ車両と銘打たれた2号車には「茶屋(売店)」とラウンジスペースが設けられ、日本海の美しい風景を眺めながら沿線の駅弁や地酒・地ビールなどを楽しめるようになっています。
新潟から酒田までの所要時間は2時間38分で、時間的にも特急いなほと比べ30分ほど余計にかかるだけです。
運行は新潟-酒田間1日1往復ですが、10月14日、15日の両日は「きらきらしらかみリレー号」として秋田まで運行されます。


普通車指定席


素敵なラウンジスペース

 

磐越西線「SLばんえつ物語」

「秋の乗り放題パス」期間中の運転日:10/8、9、14、15、21、22

貴婦人C57が「レトロ調大正ロマン」をイメージさせる客車7両を牽引し、「森と水とロマンの鉄道」と言われる磐越西線を新潟から会津若松まで1日1往復走ります。
1号車は子供が遊べるオコジョ展望車両、4号車は展望車、7号車はシート配列3席(1席+2席)のグリーン車で専用のパノラマ展望室があります。残りの3両が普通車指定席になります。
ただし、「秋の乗り放題パス」や「青春18きっぷ」でグリーン車に乗るには、グリーン乗車券と別に運賃も必要になるので注意が必要です。家族向けの列車ですが、一人旅でも十分楽しむことができると思います。


普通車指定席


こちらが人気のグリーン車

 

リゾートあすなろ下北

「秋の乗り放題パス」期間中の運転日:10/7~9、14、21

「リゾートしらかみ」や「リゾートビューふるさと」などでも使われているハイブリッド(HB-R300系)車両で八戸⇔大湊間を1日2往復運行し、陸奥湾の絶景を大きな窓から楽しむことができます。


車窓に広がる陸奥湾

 

これら以外でも、

上越線 「DLレトロみなかみ」、「ELみなかみ」(10/14、21)

信越本線 「DLレトロ碓氷」、「EL碓氷」(10/15、22)

盛岡⇔一ノ関間で運行される485系を改造した「ジパング平泉」(10/7~9、14、15)

八王子⇔長野原草津口間を1日1往復走る「はちおうじやまどり」(10/14、15、21、22)

などがあります。

「はちおうじやまどり」に使用される6両編成「リゾートやまどり」は、 同じ485系を改造した他の車両と異なり座席配列が1列+2列で、一人旅におすすめです。


485系「リゾートやまどり」の一人席


旧吾妻線の日本一短いトンネル「樽沢隧道」を通過する「リゾートやまどり」

 

また、「風っこ只見線紅葉号」(キハ48形2両風っこ 会津若松⇔会津川口間 10/21、22)、「湯瀬渓谷紅葉号」(キハ58・28形3両kenji 秋田⇔湯瀬温泉間 10/14、21)、「十日町そば祭り号」(485系3両NO.DA.KA 新潟⇔十日町間 10/21、22)なども運行されます。

 

JR東日本「のってたのしい列車」ポータルサイト

JR東日本「秋の増発列車のお知らせ」(PDF)