6.旭川発 日本一長大なローカル線宗谷本線を普通列車で旅する。

 6.旭川発 日本一長大なローカル線宗谷本線を普通列車で旅する。

壮大な北の大地を日本最北の地へ向けて走る全長259.4㎞の宗谷本線。特急列車も走っているとはいえ、名寄以北は列車本数も極端に少なく、普通列車は5本、特急列車が3本です。普通列車のうち終着稚内まで行くのは3本、そのうち1本は音威子府駅発5:35ですから、普通列車だけの全線制覇はなかなか困難で、ましてや日帰りでは不可能です。
ちなみに旭川発6:03の普通列車に乗ると稚内に着くのは12:07、もし日帰りするなら稚内発13:01の特急サロベツ4号か17:46発の特急宗谷で折り返すしかありません。
しかし、宗谷本線の醍醐味である車窓から無人の山間部や荒涼とした大地、趣ある駅舎やホームをゆっくり楽しむなら、キハ40やキハ54のディーゼルの振動に揺られながらの普通列車の旅ではないかと思います。

 

A.秘境駅北剣淵駅も訪問 午後半日利用の旭川-名寄プラン

旭川から名寄までは壮大な原野というよりは塩狩峠付近など主に無人の山間部を行く区間になります。この区間は比較的列車本数も多いため、午後半日だけでも普通列車の旅を楽しむことができます。
このプランは、塩狩駅や路線バスを併用して秘境駅である北剣淵駅を訪問するプランです。

<ルート>
所要時間:約5時間
旭川12:31(宗谷本線)塩狩13:11(徒歩10分)塩狩バス停13:53(旭川バス)難波田橋バス停14:31(徒歩20分)北剣淵15:13(宗谷本線)名寄15:48/16:15(宗谷本線)旭川17:50

北剣淵駅15:13の列車は音威子府行ですが、仮に音威子府まで行っても、その先接続する普通列車がなく、特急列車も21:48発のサロベツ3号まで待たないとなりません。名物音威子府の駅そばも営業時間外ですし、音威子府から先の折角の車窓も真っ暗ですからおすすめできません。

塩狩峠をキハ40が喘ぎながら登っていきます。

塩狩駅

13:45頃に塩狩駅を通過する旭川行快速なよろ。かなりのスピードなので、ホームでの撮影は要注意です。

駅のそばにある三浦綾子さんの旧宅を復元した塩狩峠記念館

バス停は国道に出て、少し名寄方面に下るとあります。徒歩10分弱

北剣淵駅の最寄りは難波田橋バス停

歩いて20分ほどで北剣淵駅

ホームから少し離れた場所にある物置小屋のような建物が待合室です。

しばらくしてやってきた音威子府行に乗車します。

 

B.宗谷本線の名寄以北の趣ある駅巡りプラン

「出発!ローカル線 聞きこみ発見旅」というテレビ東京系のBSジャパンで放映されている旅番組があります。
芸能人2人が全国各地のローカル線の始発駅から終着駅まで、適当に道中下車し、地元の方に聞きこんだオススメの店や絶景ポイントなどをアポなしで訪ねながら、2日間で10か所の名所登録をするという番組です。ローカル線は私鉄や第三セクター線のほかJR線も取り上げられています。最近だと、九州の日田彦山線や兵庫の播但線が取り上げられています。
しかし、宗谷本線、特に名寄以北がこの番組で取り上げられることはないでしょう。一度途中下車すると次の列車が8時間後とかになってしまうので、番組が成立しません。
でも、趣のある駅舎やホームが残る駅をじっくり見てみたいのも事実です。そんなわけで、レンタカーで気になる駅を回ってみることにしました。

<ルート>
宗谷本線名寄以北の車窓を明るいうちに楽しみながら普通列車で旅するには次の3本の列車しかありません。
旭川6:02発 名寄7:46着/7:54発 稚内12:07着
稚内5:02発 名寄 8:47着
稚内10:27発 名寄14:23着
ほかに、名寄14:52発 稚内19:49着という列車もありますが、宗谷本線の愁眉ともいうべき抜海を過ぎたあたりはもう暗くなっていてサロベツ原野の向こうに浮かぶ利尻富士が望めません。

今回紹介する駅々は、稚内で一泊した翌日レンタカーで回った駅々です。いずれも、風情たっぷり、いつまでも残してほしい駅です。

抜海駅

兜沼駅

雄信内駅

糠南駅

音威子府駅

天塩川温泉駅

豊清水駅

5.東京駅発 日帰りで「森と水とロマンの鉄道」磐越西線

 5.東京駅発 日帰りで「森と水とロマンの鉄道」磐越西線

福島県の会津若松駅と新潟県の新津駅を結び、「森と水とロマンの鉄道」の愛称が付けられた磐越西線は、喜多方を過ぎたあたりからの山間の風景、そして阿賀野川沿い景観と、愛称の名に恥じない車窓が続きます。
東京駅を4時45分に乗る必要はありますが、この磐越西線にも日帰りで乗って帰ってくることができます。
残念ながら、季節定期列車「ばんえつ物語」号には普通列車だけの日帰りでは乗ることはできませんが、途中の徳沢駅で「ばんえつ物語」号との列車交換のために停車しますので、その際に貴婦人C57に牽引されたレトロ色一杯の12系客車を見ることができます。

郡山から会津若松までは電化区間で4両編成

車窓には雄大な磐梯山

会津若松駅で、新潟行きの快速あがのに乗り換え。乗り換え時間はわずかです。
あがのの編成はキハ110が2両に、キハ120が1両の3両編成です。新しくて車体がカラフルなのはキハ120ですが、シートが固いキハ120ではなく、シートのクッションがいいキハ110をおすすめします。

列車の名前にもなっている阿賀野川沿い快速あがのは走ります。

津川駅で対向列車待ち合わせのため15分ほど停車します。
駅のある津川地区は狐の嫁入り行列で有名らしく、ホームには狐の案内幕も。また、ホームには磐越西線を走る「SLばんえつ物語」のキャラクター「オコジロウ」を模した可愛いデザインの待合室があります。

待ち合わせ対向列車は、懐かしい車体色のキハ40です。色合いが濃い緑の山々に映えます。

会津若松駅を出て2時間半で新潟駅に到着。東京方面へ帰るためには2時間弱の待ち時間があります。
軽く食事を取るなら、快速あがの号が到着する1番線ホーム内にある立ち食い蕎麦「新潟庵」

日本酒に興味があるなら、駅ビルにある「ぽんしゅ館」です。新潟の全酒蔵の銘柄が並ぶという様はまさに壮観で、ワンコイン(500円で5枚購入)で一杯購入できます。

<ルート>
所要時間:約18時間
東京4:45(京浜東北線)大宮5:32/5:36(宇都宮線)宇都宮6:51/6:59(宇都宮線)黒磯7:50/7:54(東北本線)郡山9:01/9:38(磐越西線)会津若松10:56/11:02(磐越西線)新潟13:39/15:22(上越線)長岡16:25/16:32(上越線)水上18:28/18:44(上越線)高崎19:48/20:07(高崎線)東京22:00