三菱大夕張鉄道保存車両
現在夕張の街を走る鉄道はJR夕張線(石勝線夕張支線)のみとなってしまい、この夕張線も近い将来廃止が予定されています。
しかし、炭鉱の街として栄えた夕張にはかって、4つの鉄道が走っていました。
JR夕張線、夕張鉄道(昭和50年廃止)、真谷地鉄道(昭和62年廃止)、大夕張鉄道(昭和62年廃止)です。
おおまかですがこんなイメージです。
このうち大夕張鉄道(正式名称は三菱石炭鉱業大夕張鉄道線)はJR夕張線の清水沢駅と大夕張炭鉱山駅を結んでいたのですが、当時の車両が途中の南大夕張駅跡に保存されています。
鉄道廃止後荒れ果てるままなっていた車両を夕張市民や鉄道出身者などで構成される「三菱大夕張鉄道保存会」が修復活動を開始し、現在は車両だけでなくホームの補修も進み、いい保存状態で客車や石炭貨車などの鉄道車両を見ることができます。
車がないと行けない不便な場所にあるのですが、ぜひ行って見ていただきたい鉄道遺産です。
保存されている車両
保存車両の目玉と言えるのがキ100形式キ1。なんとなくウルトラQに出てきたケムール人に似ている気がします。
オハ1と手前がナハフ1。ナハフ1だけは保存状態が良くないのか中には入れず。
セキ1形貨車(石炭車)。客車・貨車とも三菱のスリーダイヤモンドのマークが入っている。
ホームの補修も進めているようすが、費用的な問題も多いようです。
「消えた鉄道を行く」<汽笛が響いた街 夕張>
NHKで平成9年(1997年)に放送された「消えた鉄道を歩く」<汽笛が響いた街 夕張>で、当時の南大夕張駅跡と保存されている車両が紹介されています。
案内役が中山忍で、廃線の説明役として宮脇俊三氏が登場しています。最近、NHKのBSプレミアムカフェで再放送されたのでご覧になった方も多いと思いますが、映像で見る当時の保存車両は荒れ果てた状態です。
「三菱大夕張鉄道保存会」が発足したのはこの放映2年後の平成11年(1999年)ですから、それから地道な補修活動が始まったことになります。
我々が支援としてできることはまず寄付が思い浮かびますが、現地に赴き、実際に自分の目で見ることも大きな支援になるのではないでしょうか。