「北海道&東日本パス」のメリットは? 「青春18きっぷ」とはどう違う?

普通列車が乗り放題のおトクなきっぷといえば代表的なものが「青春18きっぷ」ですが、同様のきっぷにJR北海道・JR東日本が発売している「北海道&東日本パス」があります。
使い方によっては18きっぷよりもおトクな「北海道&東日本パス」ですが、18きっぷと比較しながら紹介したいと思います。

1.北海道&東日本パスとは

JR北海道線、JR東日本線、青い森鉄道線、IGRいわて銀河鉄道線及び北越急行線の普通列車(快速含む)普通車自由席及びBRTが7日間乗り降り自由のきっぷです。
料金は、大人10,850円、子供5,420円となります。

 

2.発売箇所

JR北海道・JR東日本の主な駅のみどりの窓口でされています。JR東日本では指定席券売機でも購入することができます。
他のJRの駅では販売していません。

 

3.利用期間(発売期間)

春季:平成29年3月1日~平成29年4月22日(2月20日~4月16日)
夏季:平成29年7月1日~平成29年9月30日(6月20日~9月24日)
冬季:平成29年12月10日~平成30年1月10日(12月1日~1月4日)

青春18きっぷと比べてここがメリット!

春季・夏季の利用・発売期間が長い!

18きっぷの利用期間は、春季3月1日~4月10日まで、夏季7月20日~9月10日までとなっており、北海道&東日本パスの方が春季・夏季はより長く使うことができます。
特に、臨時快速列車も多く増発される7月や9月の連休に使うことができるメリットは大きいと思います。

 

4.有効期間

連続する7日間

青春18きっぷと比べてここがメリット!

有効期間が長い!

18きっぷは11,850円で有効期間は5日(5回)ですが、北海道&東日本パスは10,850円で有効期間は連続する7日間となります。単純に1日当たりの料金を比較すると、18きっぷは2,370円、北海道&東日本パスは1,550円となり、かなりおトクです。

青春18きっぷと比べてここがデメリット

とびとび・バラバラに使えない。グループで使えない。

18きっぷの場合、有効期間内であれば土日ごとのようにとびとびに使ったり、同一行程であればグループ利用も可能ですが、北海道&東日本パスは一人1枚の利用で、有効期間は利用開始日から連続した7日間となります。

 

5.利用できる第三セクター鉄道

フリーエリアに以下の第三セクター鉄道が含まれます。

  • 青い森鉄道線
  • IGRいわて銀河鉄道線
  • 北越急行線
青春18きっぷと比べてここがメリット!

一部の第三セクター鉄道が乗り降り自由!

一部とはいえ、第三セクターがフリーエリアに含まれるのは大きいですね。
しかも3路線とも使い勝手の良い路線です。

※18きっぷでも青い森鉄道線については、「青森~八戸」間、「青森~野辺地」間及び「八戸~野辺地」間を通過利用する場合、別に乗車券は不要ですが、途中下車については制限があります。

青春18きっぷと比べてここがデメリット!

道南いさりび鉄道線に乗れない

18きっぷの場合、「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」(2,300円)を購入すれば、北海道新幹線「奥津軽いまべつ~木古内」間と道南いさりび鉄道線の「木古内~五稜郭」間を利用することができますが、北海道&東日本パスにはオプション券が用意されていません。

ただし、18きっぷでも道南いさりび鉄道に無料で乗れるわけではありませんし、北海道&東日本パスでも北海道新幹線「奥津軽いまべつ~木古内」間の特定特急券(1,490円)と道南いさりび鉄道線「木古内~五稜郭」間の乗車券(960円)を別途購入すれば同じルートを乗ることができますので、あまりデメリットではないかもしれません。

 

6.北海道新幹線の利用

「新青森〜新函館北斗間」の北海道新幹線全区間を特定特急券を購入するだけで乗車することができます。

※「新青森~新函館北斗」間内相互発着の場合に限り、普通車の空いている席を利用できます。当該区間をまたがる場合、例えば八戸~新函館北斗間を利用する場合は、同区間の特急券だけでなく、同区間の運賃も必要になります。

青春18きっぷと比べてここがメリット!

北海道新幹線全区間が特急券のみ購入で乗れる!

18きっぷの場合、オプション券を購入しても北海道新幹線に乗れる区間は「奥津軽いまべつ~木古内」間だけですが、北海道&東日本パスでは特定特急券を購入するだけで、北海道新幹線「新青森~新函館北斗」全区間を利用することができます。

<新青森~新函館北斗間を新幹線利用した場合の料金比較>

北海道&東日本パス:特定特急券3,930円のみ

青春18きっぷ   :特定特急券3,930円+運賃2,810円=合計6,740円

 

7.利用できる列車

18きっぷ同様、普通列車・快速を利用することができます。

また、18きっぷでは利用できない急行列車も別途急行券を購入すれば利用できますが、現在JR北海道・東日本に定期運行の急行列車はなく、JR東日本の夏(7月~9月)の増発列車に以下の2本があるのみです。寝台急行はまなすが廃止になった今となっては急行が利用できるメリットはほとんどありません。

  • ぶらり横浜・鎌倉号 日立-鎌倉間(運転日:7/1.8.15.16、9/16.17)
  • ロックインジャパン 上野-勝田間(運転日:8/5.6.11.12)

 

8.利用できる座席タイプ

これも18きっぷと同じです。普通列車・快速の自由席が利用できるほか、別途料金を支払えば、グリーン席や指定席も利用できます。ただし、グリーン車の指定席は利用できません。

したがって、快速列車でも「IZU CRAILE(伊豆クレイル)」や「北アルプスいろどり」は全車グリーン車指定席のため利用できないことになります。

 

9.特急列車の特例区間

18きっぷ同様以下の区間は、特急列車の自由席に特急券なしで乗車できます。

  • 奥羽本線「青森~新青森」間相互発着
  • 石勝線「新夕張~新得」間内相互発着

 

10.払い戻し

有効期間内で未使用に限り払い戻しできます。(手数料220円)

青春18きっぷと比べてここがデメリット!

正規の払い戻しルールは18きっぷと同じですが、18きっぷと異なり、使用開始後に金券ショップやオークションで売却することが(有効期限の関係で)困難なため、急きょ予定が変更になった場合等での融通(換金)性には劣ります。

 

11.その他

これはメリットなのかどうかよくわかりませんが、北海道・東日本パスは自動改札機を通ることができます。

 

こんなときには、18きっぷより「北海道&東日本パス」!

青春18きっぷの良さ、特に使い勝っての良さは言うまでもありませんが、旅行の条件が合えば北海道&東日本パスの方がおトクに使えるケースもあります。

  1. 旅先がJR北海道・東日本のエリアの場合
  2. 連続して5日間以上旅をする場合
  3. 新青森から新函館北斗まで北海道新幹線を利用したい場合
  4. 同行者に小人がいる場合
  5. IGRいわて銀河鉄道線や北越急行線に乗る必要がある場合(18きっぷの場合、青い森鉄道線は通過利用であれば別途運賃は不要ですが、この両路線は通過利用でも料金が必要になります。)

1は絶対条件ですが、2の条件を満たす場合は北海道&東日本パスがおトクになります。3以下は状況にもよります。